春季企画展「隠元隆琦350年遠諱 黄檗インパクト」観峰館

黄檗宗の宗祖・隠元隆琦(一五九二~一六七三)の来朝は、臨済宗を中心とする禅宗寺院に大きな「インパクト」をもたらしました。
江戸前期の近江は、室町時代後期の戦乱により荒廃した寺院が多く、それらの再興にあたっては、黄檗僧が多く関与しました。この東近江地域に目を向けると、永源寺に隠元が当山し住持であった如雪文巌(一六〇一~一六七一)と交流したと伝わるほか、後水尾法皇の深い帰依を受けた龍渓性潜(一六〇二~一六七〇)が中興開山となった正明寺(蒲生郡日野町)など、多くの黄檗寺院が点在しています。
そして、黄檗僧ならびに近江商人がもたらした中国舶来の書画は、羨望の眼差しの中で受け入れられ、多くの寺院に寄進され什物となったほか、地域の書画家に影響を与えました。この事実から、同地域が京都・大阪とは異なる文化を築いたともいえるでしょう。
この展覧会では、隠元隆琦禅師350年遠諱にあたり、東近江地域の所縁の寺院に伝わる所蔵品を中心として、黄檗宗のもたらした「インパクト」を探ります。

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