博物館の仕事、と聞くと、まず「展示」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。あるいは、「調査・研究」をイメージする方もいらっしゃるかも知れません。その一方で、文化財の保存や修復に取り組むことも、博物館の大きな役割の1つです。
栗東歴史民俗博物館が開館して間もない平成4年(1992)に実施した、山口寺(栗東市荒張)の廃寺にともなう調査では、須弥壇の下から天部形立像の部材が多数発見されました。それらを組み合わせたところ、多くの部材が損なわれていた四天王立像(2躯)の復元が可能となったほか、それまで知られていなかった天部形立像1躯分として組み上げられました。いずれも平安時代の優品であることが明らかになったこれらの像は、このことをきっかけに平成10年(1998)には滋賀県指定有形文化財として指定されています。博物館が、地域の文化財に対して大きな役割を果たした一例と言えるでしょう。
収蔵品展「文化財をつなぐ―修復文化財の世界―」では、栗東歴史民俗博物館の収蔵資料から、さまざまな事例を通して、文化財の修復について紹介します。
【関連企画】
○展示解説会:12月16日(土曜日)、1月13日(土曜日)、2月11日(日曜日・祝日)
いずれも14時から(1時間程度)
○歴史文化財講座「文化財をつなぐ―文化財修理の現場から―」
栗東歴史民俗博物館の収蔵資料を含めた滋賀県内の文化財は元より、全国各地の装こう文化財修理に携わって来られた坂田 さとこ さん(株式会社坂田墨珠堂 代表取締役・装こう師)をお招きし文化財修理の実際をお話しいただくとともに、文化財を後世に伝えるために博物館が果たすべき役割について考えます。
・日時:2月17日(土曜日)10時から11時30分まで
・講師:坂田 さとこ さん(株式会社坂田墨珠堂 代表取締役・装こう師)
・会場:栗東歴史民俗博物館 研修室
・参加費:無料
・対象:一般、どなたでも
・定員:90人(要事前申込、先着順)
・申込方法:1月10日(水曜日)9時30分受付開始。
栗東歴史民俗博物館に電話(077-554-2733)で申込。
※会期中の休館日:毎週月曜日(1月8日、2月12日を除く)、
年末年始(12月28日木曜日から1月4日木曜日まで)、
1月9日(火曜日)、2月13日(火曜日)