田上郷土史料館

Tanakami Local Museum

青年たちが保存に努めた消えゆく農村文化

 大津市東南端に位置する田上地域は、信楽に源を発する大戸川が瀬田川に流れ込む途中に土砂を堆積させてできた盆地で、古くから集落が形成され農業を中心とした生活が営まれてきたところである。
 しかし、日本が高度経済成長期に入ると、大きな生活の変化により、伝統的な生活習慣や、かつての主役であった民具類が消滅しようとする。そのとき地元の若い有志が先頭に立ち、先人の築いてきた生活文化を残すことを目的に、昭和30年後半から田上の民俗調査や生活体験の記録保存及び民具収集を行い、同44年町内の賛同のもと旧集会所を地元の真光寺境内に移築して田上郷土史料館を開館する。
 さらに民具収集を続け、同45年真光寺太鼓堂を借用し第2史料館を開館し、またその後の同61年には大津市より旧倉庫を借用し収蔵庫として活用している。
 なお、今も取り組んでいるのが衣生活資料である。手織時代の着物や小物を、その記憶を持つ古老に再現を含めて記録化されるとともに、日常的に使われていた衣生活資料が収蔵され、田上手拭や三巾前垂れなど、地域性豊かな生活文化が800点余り残されている。
 また、大津市教育委員会や滋賀県民族学会等の専門家の協力を得て、館報「田上の民俗」「田上のあしあと」「田上の寺院」「田上集の里」等を発刊している。

一押しポイント!
田上地方の民俗調査は古老からの聞き取りと写真、他地域との比較等項目ごとにカード化され整理されている。なお、運営は自治会が行い他の支援は受けていない。
ご案内
所:大津市牧1-8-32
時:随時
休:無休(事前連絡をお願いします)
¥:無料
TEL:077-549-0369 FAX:077-549-0369
P:10台
交:JR琵琶湖線「石山駅」から帝産バス「信楽」行にて「平野」もしくは「牧」下車、徒歩5分

大津市牧1-8-32
PAGETOP