甲賀流忍術屋敷

Koka Ninja Estate

今に残る本物の忍術屋敷(甲賀望月氏本家旧邸)

 甲賀流忍術屋敷は、甲賀武士(甲賀忍者集団)五十三家の筆頭格、当時「伊賀の服部、甲賀の望月」と称されるほど大きな勢力であった甲賀望月氏の本家旧邸を、1955年頃より一般公開しています。内部には防衛建築として、外敵を捕らえる 「どんでん返し」「落とし穴」、外敵に発見されずに逃げるための「抜け道」や「隠し部屋」「縄梯子」など多くの巧妙な仕掛けが施された、今に残る忍者の住んでいた本物のお屋敷です。
手裏剣や苦無、まきびし等様々な忍具や忍術奥義を記した書物巻物の展示、忍者にまつわる歴史についての解説等の資料室も併設しています。
 また、甲賀流忍者、甲賀望月氏の歴史や、各種からくりについて、モニターにて詳しく案内させていただいておりますので、お子様からシニアの方まで幅広い年齢層の方に楽しんでいただける施設になります。その他にも、古くから伝わる当屋敷秘伝の忍者の薬草茶の試飲や、手裏剣投げ、忍者衣装変身など様々な体験もしていただけます。
本来、忍者の里として知られる甲賀ですが、鈴鹿山脈の西麓、飯道山系を中心に山と谷が複雑に交錯した山間で農業や林業、狩りによって生計を支えていた地方でした。甲賀武士がその存在を認められたのは1487年の鈎の陣で、室町幕府九代将軍足利義尚が、幕府の命令に背いた近江の守護・佐々木六角氏を討伐する戦いでした。甲賀武士は六角氏を助勢し、火や煙などを使った戦術(忍術)で活躍し、その特異な術を扱う者として忍者(しのびのもの)と呼ばれるようになりました。
 忍者は隠密といった諜報活動の他に、火薬など科学的な知識と人の心を読む心理学を取り入れた兵法、また、刀・槍といった武器以外にも農具・工具といった道具を改良して多くの効用を持つ忍器(忍具)を開発していき、これらを総合して「忍術」としていました。しかし、忍術は本来戦禍を最小限に食い止め、外敵から自衛するために編み出された術で、自らが攻撃するために編み出されたものではありません。忍者は敵の情報を得ることが最大の目的で、生きて情報を持って帰ることが重要でした。そのため、攻撃して戦うのではなく、一瞬の隙を突くなどして逃げることを優先したと言われています。
 屋敷を訪れていただければ、これまでの時代劇等で見て想像していた、どこか人間離れした忍者のイメージもきっと大きく変わるはずです。忍術が人知の結集であり長い歴史の中で培われてきたものであることを実感することができます。戦乱の世に実在した本当の忍者の世界を、ぜひとも体感してみてください。

一押しポイント!
甲賀流忍者甲賀五十三家筆頭格の甲賀望月氏本家旧邸(江戸時代元禄年間建築)。忍者体験(手裏剣投げ、忍者衣装変身)も人気。
ご案内
所:甲賀市甲南町竜法師2331
時:9:00~17:00(入館は16:30まで)
休:年末年始(12/27~1/3)
¥:大人(中学生以上)600円、小人(3歳以上)400円
TEL:0748-86-2179 FAX:0748-86-7505
P:50台
交:JR草津線「甲南駅」下車、徒歩20分/新名神高速道路「甲南IC」から車で約3分

 ホームページ

甲賀市甲南町龍法師2331
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