MIHO MUSEUM

MIHO MUSEUM

信楽の穏やかな山並みに抱かれた美術館

 信楽の穏かな山並みの中にMIHO MUSEUMはあります。建築設計はイオ・ミン・ペイ氏、当時のフランス・ミッテラン大統領の絶対の信頼を受けルーヴル美術館の大改造計画を請けおった建築家です。彼がルーヴルの入口として設計したガラスのピラミッドは、パリやフランスを象徴するランドマークとしてテレビや映画に登場します。MIHO MUSEUMは、そのペイ氏が設計した日本で唯一の美術館です。
 ペイ氏はMIHO MUSEUMの構想に中国・東晋時代の詩人・陶淵明(365-427)の『桃花源記』を重ねました。日本では「桃源郷」として知られる物語です。漁師が桃の花に誘われて谷を登って行くとやがて洞窟が現れ平和な理想郷にたどり着く。ペイ氏はMIHO MUSEUMのアプローチに枝垂桜の並木をつくり、俗世を離れ時空を超えるようなトンネルと橋、そして森の中の一軒家に吸い込まれてゆくというストーリーを創造しました。この劇的な演出に有名ファッションブランド「ルイ・ヴィトン」のアーティスティックディレクター、ニコラ・ジェスキエール氏はインスピレーションを受け、2018年にこの地でクルーズ・コレクションショーを開催しています。その様子は今でも動画サイトで見ることができます。
 MIHOコレクションは創立者に身近だった茶道美術から始まり、やがて世界的な範囲に蒐集が拡がってゆきました。そして、各地域の文化や文明を象徴する芸術を、より美しく、より輝くように展示するというコンセプトのもと、エジプト、西アジア、ギリシャ・ローマ、南アジア、中国・ペルシャ、日本と展示室を構成し、世界地図を巡るように人類の芸術を展観しています。世界最大級のガンダーラ仏、銀製の隼頭神像、そしてオリエントの金銀器などは、他館であまり見る事の出来ない唯一無二のコレクションと言えるでしょう。
 そして、今やMIHO MUSEUMのもう一つの主役となっているのが、自家採種にこだわり、無肥料・無農薬の秀明自然農法で栽培された食材を使う自家製のパンやお菓子、お食事です。レストラン「Peach Valley」と喫茶「Pine View」では、こだわりのメニューを工芸作家の器などを使って提供しており、眼と舌でお料理を愉しんでいただけることでしょう。
 信楽の自然とペイ氏の建築に包まれながら人類の芸術に触れ大地の味覚を味わう。さまざまな「美」と出会う「MIHO MUSEUM」という体験をぜひご堪能ください。

一押しポイント!
I.M.ペイ氏設計の自然と一体化した建築に包まれ、オリエントから日本に亘る古代美術の名宝と出合う。食材にこだわったパンやお食事も人気です。
ご案内
所:甲賀市信楽町田代桃谷300
時:10:00~17:00(入館は16:00まで)
休:開館期間中の毎月曜日(祝日の場合開館、翌平日休館/休館期間あり)※最新情報をHPで確認ください。
¥:一般1300円 高・大生1000円 小・中生無料(20名より各200円引)
TEL:0748-82-3411 FAX:0748-82-3414
P:300台、大型20台(無料)
交:JR琵琶湖線「石山駅」から帝産バス約50分/新名神「信楽IC」から車で約15分

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